こんなところにも。マイホームにかかる税金の話
今年ついにやってくる消費税増税。
2%の差ですが、数千万円かかるマイホームの消費税となると数十万円の差になります。
この消費税ばかりに目がいきがちですが、家づくりの流れで登場する税金は消費税だけではありません。
今回は税金発生のタイミングと内容をチェックしていきましょう。
【土地を買ったときの税金】
印紙税
登録免許税
不動産取得税
消費税
【家を建てたときの税金】
印紙税
登録免許税
不動産取得税
消費税
【住み始めてからかかる税金】
固定資産税
都市計画税
【戻ってくる税金もある】
住宅ローン控除
土地を買ったときの税金
土地を購入する際には、土地本体の価格以外にも様々な税金がかかってきます。
知っていれば「思ってたより土地の価格が高くなった!」という失敗を防げます。
印紙税
土地を買うときには取引相手と契約書を交わしますが、この契約書に収入印紙を貼ることで納めるのが「印紙税」です。
契約書に記載された金額に応じて印紙税額が変わり、例えば価格が500万円の土地なら印紙税は1000円、1000万円の土地なら印紙税は5000円となります。
登録免許税
土地を取得すると、前の持ち主から土地の所有権を移動する所有権移転登記と、自分の土地であることを主張するための所有権保存登記をします。また住宅ローンを組んだときには土地を担保にしていることを記録する抵当権設定登記をします。これらの登記の手続きの際に法務局に収めるのが「登録免許税」です。
登記の種類に応じて税率が決まっており、土地の評価額に税率をかけて税額を算出します。
軽減措置として、令和3年3月31日までに土地取得した場合の所有権移転登記(売買等)の税率は1.5%になります。
不動産取得税
不動産取得税とは、売買・贈与などの理由にかかわらず不動産を取得するとかかる税金です。
土地を取得すると県から納税通知書が届くので、金融機関やコンビニエンスストアで支払います。
税額は土地の評価額に税率をかけて算出します。
軽減措置として、令和3年3月31日までに取得した場合の税率は3%、土地の価格(固定資産税評価額)が1/2になります。
消費税
「消費税」は物の消費やサービスに対してかかる税金です。普段のお買い物などで意識することが多いので、私たちにとって一番身近な税金かもしれません。
土地自体には消費税はかかりませんが、土地に水道を通したり擁壁を作る場合には工事費用に対して消費税がかかります。また不動産会社に支払う仲介手数料にも消費税が課税されます。
家を建てたときの税金
注文住宅を建てる・建売住宅を買う。どちらを選んでも建物価格の他に税金が発生します。
しっかりと予算に組み込んで考えることで「予算をオーバーした」ということを防げます。
印紙税
家を建てる時には工事の請負契約書を交わします。この契約書に貼らなければいけないのが「収入印紙」です。契約書に記載された金額に応じて印紙税額が変わってきます。
契約書は建てる前のタイミングと、完成間際のタイミング(追加変更)の2回交わす場合が多いので、印紙税も契約書を交わす度にかかります。
登録免許税
家を建てたときにも土地と同様に、自分の家であることを主張するための所有権保存登記をします。また住宅ローンを組んだときには家を担保にしていることを記録する抵当権設定登記をします。これらの登記の手続きの際に「登録免許税」を法務局に納めます。
軽減措置として、令和2年3月31日までに新築した場合の所有権保存登記の税率は0.15%、抵当権設定登記の税率は債権金額の0.1%になります。
不動産取得税
不動産取得税は、建物の価格に税率をかけて求めます。この「建物の価格」は建築工事費とは関係なく、市町村の固定資産税課税台帳価格(固定資産評価額)をいいます。
新築住宅の場合は軽減措置があり、建物の価格から1200万円引くことができます。よって評価額が1200万円以下なら不動産取得税はかかりません。
消費税
家を購入するときの購入費用、建てる時の建築費用には消費税がかかります。
増税前に引渡を受ければ8%、引渡が増税後になるなら10%です。
ただし、建築工事請負契約を平成31年3月末日までに成立させている場合は、引渡が増税後になっても契約書記載分は8%が適用されます。
住み始めてからかかる税金
固定資産税
固定資産税は土地や家屋をもっているとかかってくる税金で、毎年1月1日付で所有者として登録されている人がその年の4月から一年分を払います。よって土地や家を購入したときには翌年の4月分から納付が始まり、毎年かかってくる税金です。
4~5月に市町村から納税通知書が届くので、期日までに金融機関やコンビニエンスストアで支払います。一括払いと4期払い(4月、7月、12月、翌年2月)が選べます。
土地を買ってから建築までに期間があくと、家が建つより先に土地の固定資産税が発生し予想外の出費になる場合があるので注意が必要です。
また住宅の固定資産税は新築してから3年間は減額されるため、4年目からの固定資産税の金額が大きな負担になる場合もあります。
都市計画税
都市計画で指定されている市街化区域内の土地や家屋の所有者に課税され、下水道整備・道路・公園などまちづくりのために使われます。
固定資産税と合算して5月に市町村から納税通知書が届くので、金融機関やコンビニエンスストアで支払います。
標準となる税率は0.3%ですが、自治体によって税率が違います。
固定資産税と同様に、住宅用地の場合は固定資産評価税額が軽減されます。
戻ってくる税金もある
税金は通常納めるものですが、要件を満たせば家を取得することによって返ってくる税金もあります。
住宅ローン控除
家を新築したり購入した際に、金融機関などから返済期間10年以上の融資を受けた場合には、一定期間にわたり所定の額が所得税から控除されます。
例えば年末残高が4000万円なら、1%にあたる40万円が所得税から控除されます。ここで所得税から控除しきれない場合には、翌年の住民税から控除されます。
住宅ローン控除の適用を受けるためには、要件を満たしている証明書などを揃えて税務署に確定申告をしなければいけません。
会社員の場合には、2年目からは年末調整ですませることができます。
今回は家を建てるときの税金の話でした。
家という大きな買い物だけあって、ついて回る税金の金額は見逃せません。
多くの軽減措置もありますので、お客様のケース別にアドバイスさせていただきます。
家づくりの際には建物の工事価格だけでなく、このような税金やいろいろな諸経費がかかってきます。
内容をしっかり理解して資金計画に組み込みましょう。