段差を活かした家をつくりたい!実例からみるポイントとアドバイス
せっかくのマイホーム、せっかくの自由設計。自分らしくて遊び心のあるお住まいにしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
今回は、段差をつけることでオリジナリティのあるお住まいになった実例を紹介します。
スキップフロア
フロアの高さを半階分ずらすことで、同じ空間に高低差をつけた階層をつくることを「スキップフロア」といいます。中2階、半地下などがスキップフロアにあたります。
写真は、LDKと2階を結ぶ階段の間にスキップフロアを設けたお住まいです。
位置はお料理しながら目の届くキッチンのお向かい。スキップフロアでお勉強や読書をしながら、LDKにいる家族とコミュニケーションをとれる間取りになっています。スキップフロアの下は収納として活用。
ダウンフロア
ダウンフロアは、フロアに数cmの段差をつけて空間を仕切る方法です。
同じ空間のなかでも用途が違う部分(くつろぐ場所、食事する場所など)を、壁を作らずにゾーニングすることができます。
写真では寝室部分と書斎部分を段差によって仕切っています。
サンクンリビング
ダウンフロアの中で、特にリビング部分だけを沈ませてあるものを「サンクンリビング」といいます。
巣のように壁に囲まれているサンクンリビングは、ほどよい「おこもり感」があります。
写真ではソファがすっぽり収まっていますが、ソファを置かずに段差を背もたれや腰かけにしてもいいですね。
小上がり畳スペース
床を30~40cmほどあげた畳スペースを「小上がり畳スペース」といいます。
畳の上では基本的に座って過ごすことが多いので、小上がりにして視線の高さを補うことで、フローリング上で立っている人や椅子に座っている人とコミュニケーションが取りやすくなります。
段差をつくるメリット・デメリット
モデルハウスでも段差を取り入れた間取りは多く、その遊び心とおしゃれさに憧れを抱く方も多いのではないでしょうか。
その一方で、インターネットで「スキップフロア」「サンクンリビング」など検索すれば「~デメリット」「~後悔」と予測が出るほど賛否がある設計でもあります。
取り入れる場所によっては住む人全員の生活にも影響しますので、しっかりメリットとデメリットを理解して検討していきましょう。
段差を取り入れるメリット
オープンに空間を区切れる
空間を緩やかにゾーニングできるのが段差のメリットです。
壁やドアで部屋を仕切りたいが視界がシャットアウトされ圧迫感が出てしまう、そこに段差を取り入れることで視界をオープンにしつつ空間ごとの区切りをつけることができます。
収納を増やせる
空間を立体的に使うことで、通常の間取りより利用できる面積が増やせます。
例えばスキップフロアで床を高くするならその床下を収納に、小上がりでも30cmほどの高さがあれば引き出し収納をつけることができます。
コミュニケーションのとりやすい空間づくり
例えばLDKからスキップフロア、スキップフロアから2階へと続く間取りにした場合。
LDKから2階にかけてスキップフロアを通して吹き抜けで繋がった空間になり、家族の気配が常に感じられるお住まいになります。
目線の高さを合わせることでコミュニケーションをとりやすくする効果も。
ダイニングのイスに座ったときの目線の高さ、キッチンで作業している人の目線の高さ、床に座っている目線の高さ、これらを段差によってあわせることで場の一体感が高まります。
段差を取り入れるデメリット
つまづき、ぶつかる危険性
バリアフリーではない、ということがまず一番大きなデメリットです。
歩きがおぼつかない小さなお子様、ハイハイしている赤ちゃんなど目が離せないようなお子様がいると、段差につまづいて転んだり落下する危険があります。
お子様のことでハラハラする日々が終わった後は、自分たちが高齢になってつまづくように…なんてことになるかもしれません。
コストがかかる
段差をつくるには材料と手間がかかります。
単純に床の分だけでなく、収納をつけるなら収納の分、構造部や配線に影響する場合はその分も費用がかかりますので注意が必要です。
ホコリがたまりやすい
ふわふわ漂うホコリは壁際に行きつきます。段差部分も同様で、ホコリやゴミがたまりやすい場所になりますので、小まめな掃除が必要になります。
ロボット掃除機との相性が悪い
床を小さなタイヤで移動するロボット掃除機は、段差が大の苦手です。
センサー感知で落下の危険性は低いものの段差を昇り降りすることはできないので、ロボット掃除機に掃除をお任せできるのはフラットな部分のみ。残る部分は自分でお掃除する必要があります。
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